鍼灸とは鍼灸はなぜ効くの?

「鍼灸」とは患者の体の状態を診断し、適切にツボに「鍼」や「灸」を施すことで、さまざまな辛い症状を改善していくものですが、どうしてこれだけで効果があるものなのでしょうか。
「薬」も使わず、場合によっては患部とは違うツボに施していく「鍼灸」。
ここではなぜ「鍼灸」が効くのか、解説していきます。

「感覚神経」を刺激すると「中枢神経」を通し効いていく

皮膚や筋肉など体の表面には感覚神経が分布していて、そこを刺激することで脳や脊髄、脳幹などを通って作用するのが「鍼灸」。
この効果はおもに以下のようなものがあるのです

●鎮痛効果

  • 感覚神経を刺激する⇒中枢神経に「内因性オピオイド(天然のモルヒネ的な物質)」が放出され痛みの伝導をブロック
  • 太い感覚神経も刺激⇒脊髄で反射的に痛みをブロックするシステムが作動
  • 筋肉の深さまで鍼を刺す⇒血行を促進することで「発痛物質(痛みの原因)」を洗い流していく

激しく痛みがあると、筋肉がこわばって交感神経は緊張し、血管がとても強く収縮するのものです。
さらに運動神経の系統も興奮してしまい、血管をさらに圧迫し、血行不良を起こすことで「発痛物質」が滞留し、痛みをさらに増幅させます。
この「痛みの悪循環」を鍼を施すことで寸断することができるうえに、血行も促進できるんですね。

●機能を調整する効果

胃や腸、暴行など内臓に関わる血圧は自律神経というものが支配しているものですが、それらの機能改善にも効果的。
鍼を施すことで、中枢神経、あるいは脊髄から反射性に対して機能調整することができます。
効果が認められているところは以下のようなものがあります。

  • 胃や腸などの内蔵の機能改善
  • 免疫やホルモンなど内分泌系の正常化
  • NK細胞(キラー細胞といわれ、異物から体を守ってくれる細胞)の活発化

解明できないような効果も

「鍼灸」は優れた鍼灸師が独自の判断で患者の状態を把握して、「鍼」や「灸」を施していきますが、例えば歯が痛いときに訪れた患者に対して、手のツボに対して刺激をする場合があるなど、痛みのある場所と関係ないと思われる部分に施していくこともしばしば。
しかしこれは中枢神経を解して鎮痛を促していく、ということを理解するとなるほどうなずけるものですね。
しかしそういったこと以外にも、さまざまなことを調整できる働きを、因果関係をもって明白に説明できないほど効果の高いものも多いのです。